ゲームや動画で繰り返せるBGMを作る — ループの継ぎ目と余韻
4小節の境目を、切りっぱなし・短いフェード・余韻の折り返しで比較。試聴は2周、編集用WAVは正確な1周分で保存できます。

曲の最後ではなく、次の先頭まで聴く
1回だけ聞くと問題ないのに、繰り返すと「プツッ」と鳴る。余韻が途切れて一瞬だけ薄くなる。ループ用BGMでは、終わりが次の始まりにつながる場所まで確認します。音の急な段差と、メロディや和音のつながりは別の問題です。両方を聴いて整えます。
ここでは108 BPM、4/4拍子、4小節の長さを使います。C4→E4→G4→F4を各小節で鳴らしたシンプルな音です。下の試聴は1本の音声の中に2周をつないであり、約8.89秒の中央が継ぎ目です。プレーヤーが終わってから再び再生する間隔を比較するものではありません。
短いフェードは段差を減らすが、余韻も減る
Aは、4小節で音声をそのまま切っています。最後の音の余韻がまだ残るため、末尾の音の値と次の先頭が急につながります。Bは同じ音声の終端20msだけを0へ向けてフェードさせた版です。音符は替えていません。
Bでは継ぎ目の段差を減らせますが、最後の余韻を消していることに変わりはありません。短い打楽器なら気にならなくても、長いパッドや残響では周期的に音が痩せたように感じることがあります。フェードを長くするだけで解決するとは限りません。
はみ出した余韻を、次の先頭へ回す
Cでは、4小節からはみ出した余韻を切り捨てず、ループの先頭へ重ねています。前の周回で鳴った音が、そのまま次の周回へ残る状態を1周分のファイルに収めたものです。リバーブやディレイをかけた素材でも、末尾に残る音をどう扱うかが重要になります。
| 作例 | 音符 | 4小節の終わりの扱い |
|---|---|---|
| A:切りっぱなし | 3例共通 | はみ出した音を捨てる |
| B:短いフェード | 3例共通 | 終端20msを小さくする |
| C:余韻の折り返し | 3例共通 | はみ出した余韻を先頭へ足す |
先頭へ足す分だけ、重なった場所の音量が増える可能性があります。今回の素材は最大音量に余裕を残しています。自分の素材では足す前後の音量も確認してください。Cを単独で開始するときは、先頭に前の周回の余韻が含まれます。繰り返し区間の滑らかさと、最初の1回をどう立ち上げるかは分けて扱います。
テンポから、1周の長さを確かめる
4/4拍子の4小節は16拍です。長さは「60÷BPM×拍数」で求められます。108 BPMなら60÷108×16=約8.888889秒。今回の44.1kHzのWAVは392,000サンプルで、ちょうどこの長さです。再生時間表示の小数が丸められていても、ファイルの長さを適当に切り詰めないでください。
ダウンロード用WAVは1周、試聴用MP3は2周です。MP3や再生アプリによってはファイル境界の扱いに差があるため、編集やループ素材の受け渡しには1周分のWAVを使います。最終的には使うゲームエンジンや動画編集ソフトでも、複数回つないで確認します。
まずWAVを2つ隣に置いて確かめる
- Cの「1周分のWAV」を保存し、なまずミキサーへ読み込みます。テンポは108 BPMに合わせます。
- 同じ素材を2つ、隙間も重なりもないよう隣に配置します。約8.89秒の接続部分を前後から再生します。
- 自分の音源を作るときは、必要な小節を決め、余韻を含めて書き出した素材を用意します。終端の不要な無音と、残したい余韻を区別します。
- ミキサーのLoop Rangeを1周分に指定し、LOOP WAVで出力します。出力後のファイルを読み直し、2周以上で確認します。
LOOP WAVは指定範囲を書き出す機能です。任意の素材の切れた余韻を自動で先頭へ回してくれる、と考えないでください。余韻を別クリップに分けて先頭へ重ねるなど、素材側の編集が必要な場合があります。音声の段差が消えても、最後の和音と次の先頭が不自然なら、音符やコードの終わり方も見直します。
試聴はこのガイド用に音符から合成したオリジナル素材です。実機演奏やブラウザ操作の録音ではありません。MIDIは音符・テンポ・トラックの編集用で、試聴の音色やエフェクトは含みません。別の試聴を再生すると、前の試聴は停止します。
作例は作品への組み込み・商用利用可、クレジット不要です。元の素材を残し、編集後の版は別名で保存してください。
曲として終わらせる方法 → リバーブとディレイを聴き比べる →
音色・響き・曲のつなぎ方を聴く
同じ素材の変更前後を聴き、自分の曲でも一つずつ試せるガイドです。