打ち込みが単調に聞こえる理由 — 強弱・休符・タイミングを聴き比べる
同じ伴奏のハイハットだけを編集。均一な強さ、アクセント、2か所の休符、裏拍の遅れを4つの音源とMIDIで比べます。

どのパートを変えるか決める
打ち込みが単調に感じても、すべての音をランダムにずらす必要はありません。まず一定の拍を残し、ハイハットの1要素だけを替えます。このページではコード・ベース・キック・スネアを共通にしたまま、ハットの強さ、休符、タイミングの順に変えます。
C→G→Am→F、108 BPM・4小節です。Aのハットは8分音符で、強さをすべて72にそろえています。一定の刻みは、ほかのパートを支えるために役立つこともあります。「機械的だから悪い」と決めず、どこに変化が欲しいかを探してください。
表拍と裏拍の強さを変える
Bでは、整数拍のハットを90、半拍後のハットを54へ替えています。平均の数値は72のままですが、強さが交互になるので拍のまとまりが変わります。音符の位置・長さ・個数はAと同じです。
| ハットの位置(1小節目) | Aの強さ | Bの強さ |
|---|---|---|
| 0・1・2・3拍後 | 72 | 90 |
| 0.5・1.5・2.5・3.5拍後 | 72 | 54 |
MIDIの強さはベロシティという0〜127の値で扱われますが、再生音量との関係は楽器によって異なります。数値の平均をそろえても、聴感上の音量が厳密に同じになるわけではありません。この試聴では音色を共通にしています。
2か所を消し、スネアの後を空ける
CはBから1.5拍後と3.5拍後のハットを取り除いた版です。スネアは1拍後と3拍後なので、それぞれスネアの半拍後に空きができます。残った音の位置・長さ・強さは変えません。
音が少なくなることで、キックやスネアの余韻を追いやすくなるか聴きます。切れ切れに感じるなら、まず3.5拍後だけ戻してみてください。全部の小節に同じ休符を置かず、4小節目だけ空ける使い方もできます。
裏拍だけを遅らせる
DはCの残った裏拍ハット、0.5拍後と2.5拍後だけを1/6拍後ろへ移しています。結果は約0.667拍後と2.667拍後です。1拍を前半2:後半1に分けた位置で、108 BPMでは元の位置より約93ミリ秒遅れます。キックとスネアは動かしません。
| 比較 | 変更するもの | 固定するもの |
|---|---|---|
| A→B | ハットの強さ | 位置・長さ・音数 |
| B→C | ハット2音を削除 | 残った音の位置・長さ・強さ |
| C→D | 残った裏拍ハットの位置 | 音の高さ・長さ・強さ・個数 |
この作例は変化が分かるように2:1を使っています。曲に入れるときは遅れを小さくしても構いません。全パートを同じ量だけ後ろへ動かす操作とは違います。全体をずらしても、音同士の間隔は変わらないためです。
MIDIで戻しながら比較する
- DのMIDIを開き、drumsトラックのMIDIノート42だけを探します。36はキック、38はスネアです。
- まず1小節目の裏拍2音だけを元の0.5拍後と2.5拍後へ戻します。細かい位置を動かすときはスナップ設定を確認します。
- 次に3.5拍後へ強さ54のハットを1音戻し、休符の違いを聴きます。
- タイミング、休符、強さのどれが欲しい変化を作ったか、別名で保存した版を比べます。
テンポが変われば、同じミリ秒の遅れでも拍に対する割合は変わります。この例の約93ミリ秒を、どのBPMにもそのまま当てはめないようにしてください。
試聴はこのガイド用に音符から合成したオリジナル素材です。実機演奏やブラウザ操作の録音ではありません。MIDIには音符・テンポ・トラックを収録し、試聴音色そのものは含みません。別のプレーヤーでは音色が変わることがあります。別の試聴を再生すると、前の試聴は停止します。頭から比べるときは再生位置を0秒へ戻してください。
なまずMIDIエディターで編集する → 元のポップス作例へ →
作例は作品への組み込み・商用利用可、クレジット不要です。元のMIDIを残し、編集後の版は別名で保存してください。
伴奏を、自分の曲へ育てる
メロディ、曲の展開、和音や低音の編集を、変更前後の音とMIDIで比べられます。