ブラウザシンセ入門 - 最初の1音からベース・リード・パッドを作る
OSC、Filter、ADSRを一つずつ聴き比べ、自分の4音色のモーフや録音からの音色作りへ進むガイド。WAV・MIDI・設定保存も使い分けます。

なまずポリフォニックシンセでは、鍵盤で音を鳴らしながら「波形」「明るさ」「音量の時間変化」を調整できます。まずは内蔵プリセットを選び、同じ鍵盤で1項目ずつ比べます。作った音色はなまずポシェットに保存でき、WAVとMIDIにはそれぞれ決まった試聴用データを書き出せます。
音が通る順番
鍵盤で鳴らしたOSC 1、OSC 2、SUB、NOISEは、それぞれのLevelを通って1つのローパスFilterへ集まり、Amp Envelope、Masterを経由して出力されます。波形を決める操作、明るさを変える操作、音量の時間変化を変える操作を分けて考えると、調整する場所を選びやすくなります。
音の違いが分からなくなったら、OSC 2、SUB、NOISEのLevelを0にし、OSC 1だけを鳴らします。Masterを控えめにしてから、1つずつ音源を足してください。複数の鍵盤を押すと音が重なります。
OSC 1、OSC 2、SUB、NOISE
OSC 1とOSC 2は、SINE、TRIANGLE、SAW、PULSEから波形を選べます。画面のPULSEは矩形波です。OSC 2にはOSC 1よりわずかに高い固定の音程差があり、2つを重ねたときの変化をLevelで調整できます。音程差を個別に変えるつまみはありません。
SUBは弾いた音の1オクターブ下の矩形波です。低音を補いたいときにLevelを上げます。NOISEは音程のないざらつきを加えます。どちらも0から少しずつ上げ、必要な成分が聞き取れるところで止めてください。
FilterとEnvelope
FILTER CUTOFFは40〜18,000 Hzの範囲で、ローパスFilterが残す高域の量を変えます。RESONANCEを上げるとCutoff付近が強調されます。大きく動かす前にMasterを下げ、同じ鍵盤を弾き直して比較してください。
ADSRは音量の時間変化です。ATTACKは立ち上がり、DECAYは最大音量からSUSTAINへ移る時間、SUSTAINは押している間の音量、RELEASEは離した後の余韻を調整します。ATTACKとDECAYは0.01〜3秒、SUSTAINは0〜100%、RELEASEは0.05〜4秒です。設定を変えたら鍵盤をいったん離し、もう一度押して形を確かめます。
鍵盤で音を比べる
画面の鍵盤は押している間に鳴り、離すとRELEASEの設定に沿って消えます。PCでは鍵盤上に書かれたキーでも演奏できます。Octaveを変えると演奏する音域が変わるので、音色の比較中は同じ値にそろえてください。
再生ボタンはド・ミ・ソ・上のドのコードを繰り返す試聴用です。BPMはこの繰り返し間隔を変えます。ATTACKやRELEASEの違いは、再生を停止して鍵盤を1音ずつ押し離しすると確認しやすくなります。
Patch Morph
「内蔵4音色」のA〜Dは、あらかじめ用意された音色です。ボタンで呼び出すか、XYを動かしてこの4音色を基準にOSCの波形・Level、SUBとNOISEのLevel、Cutoff、Resonanceをまとめて変えます。音量や明るさの数値を混ぜる一方、波形の種類は位置に応じて切り替わるため、境界で音の変化が大きくなることがあります。
ADSRとMasterは全体の設定です。「自分の4音色を使う」を押すと、現在の音、内蔵音色、ポシェットや共有パッチをA〜Dへ登録できます。各隅を単独で聴いてからXYを動かすと、どの音が混ざっているかを追いやすくなります。異なる波形も滑らかに混ざるため、まず明るい音と丸い音を隣の隅へ置いて比べてください。
4音色をまとめたセットと、現在の混ざり方を固定したパッチを保存できます。「音色変更を戻す」と「やり直す」で比較し、気に入った状態をポシェットへ残します。
録音した声や楽器から音色を作る
「録音から演奏できる音色を作る」で、音声ファイル、ポシェット、または「マイクで3秒録音」を選びます。「アー」と同じ高さで伸ばした声など、音程が安定した素材から短い区間を選び、「波形候補を取り出す」を押します。話し言葉をそのまま再生する機能ではなく、録音の響きを鍵盤用の音色へ変える機能です。
4つの候補を混ぜ、低い音と高い音の両方で試聴してから「この音色を採用」を押します。録音から作った音色はOSC 1へ反映します。「自分の4音色」では各隅のOSC 1に反映するので、OSC 2やFilterの違いも聴いてみてください。
採用した音色はパッチや公開プリセットへ保存できます。元の録音やファイル名は含まれません。同じ機能はウェーブテーブルシンセでも使えます。候補を取り出せない場合は、和音や雑音を避け、同じ音程が続く区間を短く選び直します。
ウェーブテーブルとの違い
ポリフォニックシンセは、用意された波形を混ぜ、Filterで成分を整えるのが得意です。ウェーブテーブルシンセは、1周期の波形そのものを描き、元の形から音を作ります。
まずポリフォニックシンセでSAWとSINEの違い、Cutoffを変えたときの変化を比べ、波形自体を編集したくなったらウェーブテーブルを試してください。
ベース、リード、パッドの実設定
以下はPresetから呼び出せる3音色の設定値です。波形名と数値はツールのプリセットに対応しています。BPMとOctaveはプリセット選択では変わらないため、比較するときはBPMを120、Octaveを0にそろえます。Masterを下げてから試し、音量を調整してください。
ベースの出発点「袋川ベース」:OSC 1はPULSE・55%、OSC 2はSAW・25%、SUBは65%、NOISEは0%。Cutoffは1,400 Hz、Resonanceは20%、ATTACKは0.01秒、DECAYは0.30秒、SUSTAINは70%、RELEASEは0.25秒、Masterは68%です。SUBを65%から0%へ下げて同じ低い鍵盤を弾くと、1オクターブ下の成分が担う役割を比べられます。
リードの出発点「BASIC SAW」:OSC 1はSAW・80%、OSC 2はSAW・45%、SUBは20%、NOISEは0%。Cutoffは7,200 Hz、Resonanceは12%、ATTACKは0.01秒、DECAYは0.25秒、SUSTAINは55%、RELEASEは0.30秒、Masterは70%です。OSC 2を45%から0%へ下げて単音を弾き、2つの波形を重ねた状態と1つだけの状態を比較します。
パッドの出発点「濡れたネオン」:OSC 1はTRIANGLE・50%、OSC 2はSINE・45%、SUBは10%、NOISEは16%。Cutoffは5,200 Hz、Resonanceは38%、ATTACKは0.18秒、DECAYは0.70秒、SUSTAINは50%、RELEASEは1.20秒、Masterは64%です。和音を押して離し、RELEASEを1.20秒から0.25秒へ変えて弾き直すと、鍵盤を離した後の長さを比較できます。
変更を戻すときは別のPresetを選んでから元のPresetを選び直します。音源の混ぜ方を比べるときはLevelだけ、余韻を比べるときはRELEASEだけ、というように1項目ずつ動かすと違いを追いやすくなります。
WAVとMIDIで残るものの違い
WAVの「2秒コード試聴」は、現在のOSC波形・Level、SUB、NOISE、Master、BPM、Octaveなどを使い、ド・ミ・ソ・上のドを2秒の音声にする簡易書き出しです。鍵盤で弾いた演奏の録音ではありません。自分の4音色や録音音色を使わない従来モードでは簡易合成なので、鍵盤のADSRやFilterを完全には再現しません。自分の4音色や録音から作った音色のWAVはFilterとADSRも通し、余韻を含めて書き出します。どちらも手弾きの履歴を録音したものではありません。
MIDIの「定型フレーズ」は、ド・ミ・ソ・上のドを各2回鳴らす計8ノートです。BPMとOctaveを反映し、鍵盤を弾いた履歴や音色設定は含みません。MIDIエディターなどへ読み込み、ノートを編集するための素材として使えます。
自分で作った音色を戻したい場合はPOCKETの「パッチ保存」を使います。波形、各Level、Filter、ADSR、Master、BPM、Octave、表示色の設定が保存され、同じツールから読み込めます。WAVとMIDIの試聴用データだけでは音色設定を復元できません。
要点
同じ鍵盤で音を出し、Level、Filter、ADSRを1項目ずつ比べます。Patch Morphは内蔵4音色に加え、自分で登録した4音色も混ぜられます。音色の再編集にはポシェット保存、短いコードの試聴にはWAV、ノート編集の素材には定型MIDIを使います。