なまずモジュラーの使い方 - VCOから音を出し、CV・Gate配線まで進む
100種類(96 CORE + 4 NAMAZU)のモジュールと120種類のFactory Patchを、Audio・CV・Gateの配線、役割別モジュール解説、プリセットの選び方、保存まで順に学びます。

なまずモジュラーには100種類(96 CORE + 4 NAMAZU)のモジュールと、120種類のFactory Patchがあります。最初から100種類を覚える必要はありません。START HEREでAudioの通り道を確認し、VCO、Filter、VCA、MASTER OUTの基本を作ったあと、役割別の棚とFactory Patchを使って必要な機能だけを増やします。
START HEREでAudioの通り道を確認する
FACTORY PATCHESでSTART HEREを読み込み、PLAYします。VCOが音を作り、NAMAZU BIRI ADC、SCOPEを通ってMASTER OUTから聞こえます。最初はケーブルを外さず、VCOのWAVE、FREQ、LEVELを一つずつ動かします。音が変わり、SCOPEの波形も変われば、Audio経路は最後までつながっています。
START HEREのNAMAZUは旧版の単純な通過モジュールではなく、互換IDを保ったNAMAZU BIRI ADCです。初期値では穏やかですが、BITSを下げ、SAMPLE RATEを下げ、ERRORやBUZZを上げると、信号が粗いデジタル質感へ変わります。BIRI SENSEは見た目の反応感度で、音量そのものではありません。
Audio・CV・Gateを混同しない
Audioは耳に聞こえる信号です。VCO、Drum、SamplerなどからFilter、Effect、Mixer、MASTER OUTへ送ります。CVはつまみを自動で動かす信号です。LFO、Envelope、SequencerなどからPitch、Cutoff、Gain、Pan、Mixへ送ります。Gateは発音や切り替えの時刻を伝える信号です。Clock、Sequencer、ComparatorなどからADSR、Drum、Pluck、Sampler、Switchへ送ります。
配線は右側のOUT端子を押し、同じ種類の左側IN端子を押します。AudioからCV、CVからGateのように種類が異なる端子は直接つながりません。OUTを選ぶと互換INが強調され、スマートフォンではPATCH ASSISTにも候補が近い順に出ます。
VCO → Filter → VCA → MASTER OUTを自分で作る
MODULE LIBRARYからVCO、MULTI FILTER、VCA、MASTER OUTを追加し、VCO OUT → FILTER IN → VCA IN → MASTER OUT INの順でAudioをつなぎます。最初はVCAのGAINを少し上げ、音を常時通します。MULTI FILTERはLOWPASSを選び、CUTOFFを下げると高域が減り、Qを上げると境目が強調されます。
次にCLOCK PULSE → ADSR GATE、ADSR ENV → VCA GAINをつなぎます。これでGateが来たときだけVCAが開きます。さらにSTEP SEQ PITCH → VCO PITCH、STEP SEQ GATE → ADSR GATEへつなぐと、音程と発音時刻を同じ8ステップから作れます。音階へそろえる場合はSTEP SEQとVCOの間へQUANTIZERを入れます。
100種類は6つの棚から探す
MODULE LIBRARYはSOURCE、CONTROL、SHAPE、SPACE、UTILITY、SPECIAL / NAMAZUに分かれています。欲しい結果から棚を選ぶと、100種類を名前順に眺める必要がありません。
SOURCEは音や入力を作ります。基本のVCO、FM OPERATOR、WAVETABLE OSC、SUPERSAW、CHORD OSC、SUB OSC、NOISE、DRUM VOICE、PLUCK VOICEに、ADDITIVE OSC、PHASE DISTORTION OSC、PHYSICAL STRING、COMPLEX OSCILLATOR、HARMONIC OSCILLATOR、VECTOR OSCILLATOR、MODAL PERCUSSION、SAMPLE PLAYER、GRANULAR SAMPLER、AUDIO / MIC INPUTが加わります。
CONTROLはCVとGateを作ります。LFO、ADSR、STEP SEQ、RANDOM、CHAOS、CLOCK、CLOCK DIVIDER、GATE PROBABILITY、EUCLIDEAN GATE、QUANTIZER、SAMPLE & HOLD、SLEW LIMITER、ATTENUVERTERに、CLOCK MULTIPLIER、BURST GENERATOR、TURING MACHINE、SEQUENTIAL SWITCH、LOGIC、FUNCTION GENERATOR、QUADRATURE LFO、MULTI-STAGE ENVELOPE、STEP MODULATOR、CV RECORDER、CLOCK HUMANIZER、PERFORMANCE SEQUENCER、TRIGGER SEQUENCER、CARTESIAN SEQUENCER、ANALOG SHIFT REGISTER、MIDI / CV INPUTが加わります。
SHAPEはFilter、VCA、歪み、共鳴を担当し、SPACEはDelay、Reverb、Pitch、Tape、IRを担当します。UTILITYはMixer、Switch、Comparator、Gate Delay、Precision Adder、Voice Allocator、Scope、Meter、Tunerなど、信号を整理・観察する棚です。名称だけで用途が分からない場合は、説明書の「モジュール一覧」で端子と最初に動かすパラメータを確認します。
第1拡張16種は信号処理の語彙を増やす
ADDITIVE OSC、PHASE DISTORTION OSC、PHYSICAL STRINGは、基本波形以外の音源です。CLOCK MULTIPLIER、BURST GENERATOR、TURING MACHINE、SEQUENTIAL SWITCH、LOGIC、FUNCTION GENERATORは、ClockやGateの密度、分岐、反復を変えます。CV MIXER、ENVELOPE FOLLOWER、MULTIPLEは、制御信号の合成、AudioからCVへの変換、配線分岐を担当します。DIODE FILTER、FREQUENCY SHIFTER、GRANULAR DELAY、SPECTRAL FREEZEは、酸味のあるFilter、非調和な周波数移動、粒状Echo、周波数成分の保持を作ります。
51〜60番のCLOCK MULTIPLIER LESSON、LOGIC LESSON、TURING MACHINE LESSON、ENVELOPE FOLLOWER LESSON、SEQUENTIAL SWITCH LESSON、BURST HAT LAB、XOR DRUM GRID、MULTIPLIED POLYRHYTHM、TURING BEAT、FUNCTION PULSEから始めると、各信号の働きを小さな構成で追えます。61〜70番のFOUR-WAY CLOCKWORK、ADDITIVE BASSLINE、PHASE DISTORTION LEAD、PHYSICAL STRING ARP、TURING STRING GARDEN、DIODE ACID LINE、ADDITIVE ORGAN CLOUD、GRANULAR SUNSET、SPECTRAL ICE PAD、PHASE CHOIR DRONEは、同じ機能をBeat、Bass、Lead、Arpeggio、Droneへ応用します。71〜75番のFREQUENCY SHIFT LAB、AUDIO FOLLOWS CV、FREEZE RADIO、EXPANSION SYSTEM JAM、64 MODULE MEGA PATCHは、単機能から大規模ラックへ進む仕上げです。
64 MODULE MEGA PATCHという名前の64は、そのラックに配置されるモジュールInstance数を示します。ライブラリ100種類すべてを同時配置する意味ではありません。端末負荷が大きい場合は、先にEXPANSION SYSTEM JAMで経路を読みます。
Pro Core 33種は4つの目的に分ける
Pro音源・入力はCOMPLEX OSCILLATOR、HARMONIC OSCILLATOR、VECTOR OSCILLATOR、MODAL PERCUSSION、SAMPLE PLAYER、GRANULAR SAMPLER、AUDIO / MIC INPUTです。76〜81番のCOMPLEX OSC LESSON、HARMONIC SCAN、VECTOR ORBIT、MODAL STRIKE、FACTORY SAMPLE CUT、GRANULAR CLOUD VOICEで、倍音、XY Morph、物理打撃、Slice、粒状化を一台ずつ試します。
Pro Modulation/SequencerはQUADRATURE LFO、MULTI-STAGE ENVELOPE、STEP MODULATOR、CV RECORDER、CLOCK HUMANIZER、PERFORMANCE SEQUENCER、TRIGGER SEQUENCER、CARTESIAN SEQUENCER、ANALOG SHIFT REGISTER、MIDI / CV INPUTです。82〜90番のQUADRATURE MOTION、MSEG SHAPE、STEP MODULATION、AUTOMATION MEMORY、HUMAN CLOCK、PERFORMANCE LINE、FOUR LANE TRIGGERS、CARTESIAN WALK、SHIFTED CANONは、位相差、記録、Humanize、4 Track Gate、2次元走査、時間差Canonを確認します。
Pro Routing/UtilityはMATRIX MIXER、VOLTAGE CONTROLLED SWITCH、COMPARATOR、GATE DELAY / PULSE SHAPER、PRECISION ADDER、VOICE ALLOCATOR、STEREO PERFORMANCE MIXER、SPECTRUM / TUNERです。Pro Tone/SpaceはPOLARIZER、LOW PASS GATE、STEREO MULTIMODE FILTER、RESONATOR BANK、SPECTRAL MORPH、PITCH SHIFTER、TAPE ECHO / LOOP DELAY、CONVOLUTION / IRです。
91〜108番はMATRIX FEEDBACK、VOLTAGE SWITCH、THRESHOLD RHYTHM、LATE GATE、PRECISE TRANSPOSE、FOUR QUADRANT TONE、ROUND ROBIN VOICES、LOW PASS GATE PLUCK、STEREO FILTER FIELD、RESONATOR CHORD BANK、SPECTRAL CROSS、PERFORMANCE MIX、PITCH SHADOW、TAPE MEMORY、IMPULSE SPACE、LIVE INPUT SHAPER、MIDI CONTROL VOICE、SPECTRUM TUNER LABです。経路、Gate変換、移調、Voice分配、Stereo、共鳴、Cross Synthesis、Pitch、Tape、IR、外部入力、解析を一つずつ確認します。
4種類のNAMAZU SPECIALを使い分ける
NAMAZU BIRI ADCはAudio Processorです。右ほっぺのINから左ほっぺのOUTへ音を通し、BITS、SAMPLE RATE、ERROR、RECONSTRUCT、BUZZでA/D変換の粗さを作ります。109番NAMAZU BIRI ADCと113番BIRI BITSTREAM DRUMSで、持続音とNoise Textureへの使い方を比べます。BIRI BITSTREAM DRUMSは名前にBITSTREAMとありますが、現在の構成はGate出力ではなく、粗いAudioをDIODE FILTERへ通してDrum Textureとして使います。
NAMAZU HIGE RADARはCV Generatorです。HIGE L、HIGE R、SPEEDをFilter、Pan、Vector X/Yなどへ送り、CROSSとFLICKをGateとして使います。SPRING、DAMP、COUPLE、MOTION RATE、LEFT BEND、RIGHT BENDで二本のヒゲの動きを作ります。110番NAMAZU HIGE RADARはFilterとPan、114番WHISKER ORBITはVectorとStereo Filterへの応用です。
NAMAZU SHIPPO BUFFERはAudio Memoryです。同じ入力をBASE、MID、TIPの異なる時間位置から読み、三つを別のMixer ChannelやEffectへ送れます。TAIL LENGTH、CURL、KNOT、GENE、SMEAR、OVERDUB、MEMORY DECAY、FEEDBACKを低めから動かします。111番NAMAZU SHIPPO BUFFERは三地点の比較、115番TAIL SPLICE DUBはDub的な重ね方を学びます。
NAMAZU JISHIN COREは蓄積型Event Generatorです。STRESSがたまり、FRICTIONやMAGNITUDEなどの条件でTREMOR、MAINSHOCK、AFTERSHOCKが発生します。STRAIN CVは蓄積量、RUMBLEは低域Audioです。112番NAMAZU JISHIN COREは出力の役割分担、116番AFTERSHOCK TECHNOはMAINSHOCKでDrumを鳴らしRUMBLEをBassへ使う例です。地震検知・予測を行う機能ではありません。
117番NAMAZU FULL BODY SYSTEMでは4機種を同時に使います。最初にAudioだけを追い、次にHIGEのCV、最後にJISHINのGateを追うと整理しやすくなります。
118〜120番は大規模ラックを演奏する
PRO MODULATION MATRIXは複数のLFO、Envelope、CV Recorder、Matrix系Utilityをまとめた制御中心のラックです。GENERATIVE PERFORMANCE RACKはSequencer、Humanizer、確率、Voice分配、Performance Mixerを使い、再生中に密度や展開を変える構成です。SPECTRAL TAPE MONSTERはSPECTRAL MORPH、TAPE ECHO、CONVOLUTIONなど空間処理を重ねた最終構成です。
大型ラックでは全体を一度に理解しません。MASTER OUT直前のAudioから音源へ戻り、次にGate、最後にCVを別々に追います。SPECTRAL TAPE MONSTERではFeedbackとMASTERを先に下げ、端末負荷が高い場合はSPECTRAL MORPH、Tape、IRのどれか一つを外して比較します。
Patch Browser、SIGNAL FLOW、NAVIGATORを順番に使う
Patch BrowserはALL、LEARN、BEAT、MELODY、DRONE、EXPERIMENT、NAMAZU、FULL SYSTEMで絞り込み、名前・説明・使用モジュールを検索します。BEGINNER、INTERMEDIATE、ADVANCEDはモジュール数とケーブル数から求めた規模の目安です。星はFAVORITES、RECENTは直近5件、「おまかせで鳴らす」は現在の絞り込み内から別のPatchを選びます。
SIGNAL FLOWはAudio、CV、Gateのケーブルへ流れを重ねます。光の強さは枝ごとの電圧ではなくMASTER出力による全体表示です。一本の無音判定にはSCOPE、LEVEL METER、SPECTRUM / TUNERを使います。NAVIGATORは現在の表示範囲を枠で示し、モジュールを選ぶとその位置へ移動します。MODULE SEARCHで名前、コード、説明を絞り、SIGNAL FLOWで前後を追います。
保存、A/B、Undo、Macroを使い分ける
UNDO/REDOは直前のノブ、移動、接続、切断、追加、削除、Patch読込を時間順に戻します。Snapshot A/Bはパッチ全体の二つの比較地点です。長期保存や別端末への移動にはJSON EXPORTまたはPOCKET SAVEを使います。RECORDはMASTER OUTを通った演奏結果で、編集可能なラック構成とは別です。
PERFORMANCE MACROには最大8個の数値パラメータを集められます。先頭2個はXY MORPHのX/Yです。最初はFilter CUTOFFとReverb MIX、またはHIGE LEFT BENDとRIGHT BENDのように役割が分かる2個から始めます。MIDI LEARNは対応ブラウザで物理CCへ割り当てます。本番前にノブを端から端まで動かし、Feedbackや音量が危険な範囲へ入らないか確認します。
音が出ないときはAudio、Gate、Gainの順で見る
PLAYと端末音量、MASTER OUT LEVELを確認し、音源からMASTERまでAudioを追います。Drum、Pluck、Sampler、Modal Percussion、Low Pass GateなどはGateまたはStrikeが必要です。VCAを使う場合はGAINが0のままか、EnvelopeへGateが届いているかを確認します。突然大きな音が出た場合はMASTER、Feedback、同時発音数を下げます。
気に入った配線を自作モジュールにまとめる
「自作モジュール・グループ」で、まとめたいモジュールを2個以上選び、「選択をグループにする」を押します。たとえば音源、Filter、Envelopeを一組にすると、次のラックでも同じ音作りから始められます。外へ出すAudio・CV・Gateの端子と、演奏中に触るマクロへ名前を付けます。
「折りたたむ」は見た目をまとめる操作で、内部の配線と音はそのままです。音が変わった理由を調べるときは「内部を展開」で戻します。「自作モジュールに保存」した構成は「複製を追加」で別の場所へ置けます。複製後はそれぞれ独立して編集できます。
ラック全体はこれまでどおりJSONやポシェットへ保存します。公開プリセットにはグループ内部の配線も含まれるため、受け取る人が同じ自作モジュールを先に登録する必要はありません。
要点
100種類を暗記せず、SOURCE、CONTROL、SHAPE、SPACE、UTILITY、NAMAZUから役割で選びます。120種類のFactory Patchは01〜75で基礎と第1拡張、76〜108でPro Core、109〜117でNAMAZU、118〜120で大型演奏へ進みます。一本のAudioを最後まで通してから、CVとGateを足してください。
まず鳴るラックを開いて、配線を追う
下のCLOCKWORK PLUCKは、8個の部品を8本のケーブルでつないだ作例です。JSONを読み込んでPLAYすれば、最初から全部組み立てずに音作りを始められます。
CLOCKWORK PLUCKのラックと録音
Factory Patch 44を読み込んで録音。8モジュール・8ケーブルのラックです。Chromeが保存したWebMの先頭8秒をMP3に変換しています。
44 CLOCKWORK PLUCK / 112 BPM / MASTER 0.72 / Audio 4・CV 1・Gate 3本
JSONを保存し、PATCHBAYのJSON IMPORTで読み込んでPLAY。同じ出発点のラックを復元できます。音声ファイルは編集用のラックを含みません。
作例の利用条件:作品への組み込み・商用利用ができます。クレジットは不要です。
音はPluck → Comb → Delay → Scope → Outputへ進みます。別の配線はClock → Clock Divider → Sequencer → Pluckへ発音の合図を送り、SequencerからPluckへのもう1本が音程を指定します。まずPluckに入る2本が、音程と発音で分かれているところを見てください。
JSONはラックを編集するためのデータ、録音は鳴った音です。気に入った演奏をそのまま残したい場合は、JSONとは別に録音も保存します。